ひら キラ わく |
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紙を型抜きした、小さな花と、照り葉と、青葉と、星と…。さて、どんな使い方をしてみようか。
そうだ!まず、たまにはメール本来のメール、手紙を書いてみよう。春のご挨拶なら花を数輪、秋の近況報告なら照り葉を数葉、便せんに散らせて封入すれば、受けとった人が折り目をひらいたときの、「まあ!」というおどろきが目にみえるよう。読んだとき、行間を埋めておつりがくるほど、こちらの気持ちや季節感を増幅して伝えてくれることだろう。 あの紫式部や清少納言にも、きぬぎぬの別れの文や、恋しい出会いの歌にそえ、情緒たっぷりに使ってもらいたいものだ。 お誕生日のギフトや、クリスマスプレゼントをこれで飾るのもいい。贈り贈られるコミュニケーションを浮き立たせてくれる。 季節にあわせてモチーフを替え、パーティーのテーブルに散らすのもおしゃれ。お客はもちろん、招くほうまでワクワクたのしむことができる。 あるデザイナーが、勇気を出して請求書にピンクの花を散らせて郵送した。数日後、クライアントの責任者から電話があり、一瞬ハラハラしたが、数字ばかりの紙面に花のゆとりでホッとしたと、あとはくだけた会話で終始。支払いは決して早くはならなかったようだが、これが、花も実もあるオチかな。 __文:蟻田 善造 ARITA zenzo ARITA zenzo
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